スーリヤは、インド神話に登場する太陽神として知られています。
ギリシャ神話のアポロン、北欧神話のフレイ。
太陽神は多くの神話で美青年の姿で表現されます。
輝く太陽は青春の象徴ともいうべきもので、その神は若々しく明るくあるべきということでしょう。
さて、インド神話の太陽神スーリヤは果たしてどんな容貌とされているのでしょうか?
スーリヤとは?
インド神話の太陽神で、生命を与える神とされています。
確かに人間は太陽がなかったら生きていけないでしょうね。
7頭の馬が引く黄金の戦車、蓮華
スーリヤの容貌は金髪、目が3つあり、腕は4本ある姿で表現されます。
そして7頭の栗毛の馬(虹の七色ともチャクラの象徴とも)が引く黄金の戦車(空飛ぶ鳥とも呼ばれるそうです)を駆り、天空を東から西へ駆けると言います。
文献『ヴィシュヌ・プラーナ』によると、スーリヤの乗る戦車はとても大きいなもので、“時”の車輪が不滅の“年”に固定されていると言われています。
わかるようなわからないような気がしますが、“時=季節”を司っている神ということではないかと思われます。
その証拠として、スーリヤは季節の移り変わりを知らせてくれると考えられているのです。
そして昼は世界を見守っており、人々に光や知識、命を与える神とされています。
その両手には蓮の花を持っていると言われています。
4本の腕がスーリヤは蓮の花と円盤、法螺貝、杖を持っているそうです。
誕生秘話
スーリヤは聖仙カシャパと女神アディティの間の子と言われていますが、インドラの息子という説もあります。
彼が生まれたとき、すさまじい高熱を発していたと言われ、その熱さに耐えかねたアディティは思わず生まれたばかりの赤子スーリヤを放りだしてしまったそうです。
さすがは太陽神というべきなのでしょうか?
スーリヤの別名
サンスクリット語で“鼓舞者”、“激励者”、“刺激者”等の意味を持つ【サヴィトリ】“遍昭者”の意味の【ヴィヴァスヴァット】などの別名があり、アグニと並ぶ【八大世界守護神】でもあり、
【バラモン教三大神】の一人とも呼ばれています。
仏教に取り入れられると十二天の一人、日天としての位置に立つようになりました。
古代から信仰されてきた太陽神
世界各地に太陽神信仰がありますが、インドでも例外はなく、古代から現代に至るまで太陽崇拝が盛んに行われてきました。
前述のとおり、この【太陽そのものを神格化した神】がスーリヤです。
世界のどこからでも、全てのものに仰ぎ見られる存在(神)であり、同時に全てを見渡し、人々の行いを監視する眼そのものとも言えるでしょう。
日本でも、子どもがいたずらをすると「お天道様=太陽が見てる(だから悪いことをしても見つかる)」と叱ったものでした。
昔は人間にばれなくても、お天道様が見ているからいずれ人にもばれる-と太陽への畏怖を感じていたのだと思います。
太陽=スーリヤによって、人間は目的を遂げることも、仕事を成し遂げることもできるとされていました。
スーリヤこそ人間や動物、さらには無生物の守護者と信仰されていたのです。
高熱のせいで夫婦の危機?
プラーナ文献によると、スーリヤは天界の工匠トヴァシュトリ(一説にはヴィシュヴァカルマン)の娘サンジュニャーと結ばれ、冥界の王ヤマ、ヤミー、そして人類の始祖マヌをもうけたと言われます。
マヌの章ではブラフマーの子と紹介しましたが、スーリヤの子という説もあるのです。
めでたく結婚はしたものの、妻サンジュニャーは夫スーリヤの発する高熱に耐えられなくなってしまいます。
逃げだそうと、彼女は自分の影から チャーヤーという女性を作り、自分の代わりに妻として振る舞うように命令し、雌馬に変身して森に逃げ込んで隠れてしまったのです。
スーリヤはチャーヤーを本当の妻だと思って暮らしていました。
二人の間にも子どもが生まれます。
しかし、彼女が自分の子どもであるはずのヤマに呪いの言葉を吐いたことで、チャーヤーがサンジュニャーでないことが発覚したのです。
代理妻チャーヤーを問い詰めて、本当の妻の出奔を知ったスーリヤは直ちに雄馬に変身し、森へと向かいます。
そしてサンジュニャーを発見したスーリヤは、己の輝きと熱を抑えるために義父トヴァシュトリに 頼んで輝きの8分の1を削り取ってもらったのです。
工匠ですから、道具の扱いは手慣れたものだったのでしょうね。
削ってもらったスーリヤの光の破片を再利用して、トヴァシュトリは様々な神々の武器を作り上げたと言われています。
それにしても、スーリヤは本当の妻と偽物の妻との違いに気がつかなかったのでしょうか?
エンタメ世界でのスーリヤ
逆転オセロニア
スーリヤは限定オセロニアガチャイベント「逆転コレクション(逆コレ)」限定で獲得することのできるユニットです。
限定キャラということで強いのはもちろんですが、ライフバーストという性能をもつ、まさに「逆転」の言葉にふさわしい一発逆転キャラという位置づけになっています。
進化と異なり、闘化は絶大な火力を誇る割合ダメージの強キャラとなっています。
キャラ画像は美しい女性キャラに仕上がっていますが、限定キャラということもあり、上手く使えばまさに「逆転」を可能にするフィニッシャーとしてのスキルを持つキャラとして描かれています。
サモンズボード
サモンズボードでは「天翔の戦神スーリヤ」という名で登場します。
このスーリヤは、強力な反撃スキルを持っており、自身が25倍で反撃というシンプルながらも強大な火力の持ち主というキャラ設定です。
キャラ画像からも見てとれるように火属性かつ火力重視の男性キャラによくある強キャラとなっています。
なおかつ、リーダースキルも反撃時の攻撃力が8.5倍というのですから、自身の25倍反撃スキルと重なって、200万近いダメージが期待できるという、カウンタータイプのフィニッシャーとしては最高峰に位置する性能を発揮してくれます。
スーリヤ まとめ
調べるとスーリヤは太陽神とは言え、アポロンやフレイとは違って華やかなエピソードに欠ける気がします。
インド神話全体の傾向なのでしょうが、せっかくの輝かしい太陽神という設定なのですから、女性との恋愛模様とか、三角関係などもあったら…と、物足りないと思ってしまいました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。
「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)
もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。
現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。
マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。