アストライアー

アストライアー、あまり見覚えのない名前ではないでしょうか?

確かにギリシャ神話ではあまり聞かない名前ですよね。

アストレアといったらちょっと聞いたことあるって人もいるんじゃないでしょうか。

知名度はイマイチですが、実は意外と重要な役割を担っていた神様なのです。

アストライアー

ゼウスとテミス(ティターン族の女神で法と掟を司る)の娘という説があります。

またアストライオス(星空の神)とエーオース(暁の女神)の娘という説もあるそうです。

もともとアストライアーには“星の如く輝く者”“星乙女”という意味があるそうで、両親とされる神を見るとなるほどと納得できますね。

黄金時代~鉄時代

ギリシャ神話の始まりは大地母神ガイアが天空神ウラヌスを生んだことから始まりました。

ガイアはウラヌスとの間にクロノスを始めとするティターン族の神々を生みましたが、自身の権力を失うことを恐れたウラヌスは次々と子どもを飲み込んでしまいました。

その行為を恨んでガイアは、たった一人魔手を逃れた子ども=クロノスをそそのかし、ウラヌスを倒させたのです。

このエピソードはよく知られていますね。

さて、クロノスが世界を支配していた時代は【黄金時代】と呼ばれていました。

労働の必要はなく、全ての産物が自動的に造り出され、人間は安からに生きて死んでいったと言われます。

息子ゼウスがクロノスを倒すと時代は【白銀時代】に変わりました。

四季が生まれ、人間は食物を得るために働かなければならなくなったのです。

それでもまだまだ人間の心は穏やかだったそうです。

やがてゼウスは増えすぎた人間の数を減らすためか、白銀時代の人間を滅ばしました。

そして何とか生き残った人間達が【鉄時代】を生きることになったのです。

“鉄”の意味することころは明らかですね。

人間達は戦争に明け暮れ、殺伐とした世界を生き延びなければならなくなりました。

そんな人間達の醜い姿に神々は愛想を尽かし、次々と天に昇り、地上を離れていったのです。

しかし、たった一人ギリギリまで人間達に【正義】を訴えた神がありました。

それがアストライアーだったのです。

彼女は血塗られた地上で人々に正義を説き続けましたが、欲望に染まり、争い続ける人間は誰一人耳を傾ける者はいなかったのです。

さすがのアストライアーも諦めて地上を去ってゆきました。

そして天に昇った彼女は星となりました。

アストライアーの星座は乙女座とも、正義の天秤を持つことからてんびん座ともされています。

アストライアー まとめ

黄金の時代という言葉ですが、もともとは古代ギリシャの詩人ヘシオドスの『仕事と日々』の中で登場したもので、一般的なギリシャ神話には出てこないようです。

と言っても、トロイア戦争はゼウスが人間を減らすためにおこしたもので、それが白銀時代の終焉と言われることから、アストライアーのエピソードはギリシャ神話の本道ではないけれど、大きな脇道ではないかと思われます。

それにしても“星乙女”とはかわいらしくも、美しい名前ですよね。