ヘラ(ユノー・ジュノー)~オリンポス三大美神、結婚と嫉妬の女神~

  • ヘラ(ユノー・ジュノー)~オリンポス三大美神、結婚と嫉妬の女神~ はコメントを受け付けていません

この記事は4分で読めます

モンストヘラ

結婚の神とも呼ばれる美しき女神ヘラ。

オリンポスの王であるゼウスの正妻なので、オリンポスの女王の位置にいるはずなのですが、イマイチ人望が無く、知名度も低い彼女。

生い立ちとその理由などを紹介します。

ジェラシーがエネルギー?

パズドラのヘラヘラは、夫ゼウスと同じように、クロノスとレアの間に生まれた女神です。

ゼウスの姉とされています。

女神であるためか、結婚や出産、母性、貞節などの神とされています。

ゼウスが数多い女性と浮き名を流したのに対し、ヘラの浮気はありませんでした。

二人の間に産まれたのが、鍛冶の神ヘパイトス、軍神アレス、青春の女神ヘベ、出産の女神エイレイティアと言われています。

ヘパイトスは美形の神揃いのオリンポスにあって、ただ一人風采の上がらない冴えない男神でした。

そのためヘラは彼を疎み、遠ざけていました。

ある日息子は見事な椅子を作り母にプレゼントしました。

その椅子に座った途端、ヘラは体中を縛られ、動けなくなってしまったのです。

母に嫌われていることを悲しく思ったヘパイトスの仕業でした。

父ゼウスの仲介で仲直りし、ヘパイトスはめでたくオリンポスに住むことができたと言われています。

実の息子を嫌うというのはヘラの性格に問題があるのでは?

と思いますが、ゼウスの愛人が出来の良すぎる子どもを産むので、正妻ヘラにも複雑な思いがあったのかも知れません。

それが、不格好な息子への虐待になったのかも、と考えてしまいます。

いずれにしても、ヘラの人(神)生は夫ゼウスによって多大な影響を受けていったのです。

嫉妬深いという形容詞とセットで語られることが多いのですが、その嫉妬がエネルギーだったのではないかと思われるふしもあるのです。

華やかな孔雀がヘラの聖鳥とされ、絵画などでも彼女は孔雀と共に描かれることが多いようです。

モンスト

嫉妬の女神ヘラ(進化)モンストでの神々の女帝ヘラ(神化)はゼウスのぬいぐるみを持った可愛い人気キャラです。

一方、嫉妬の女神ヘラ(進化)はゼウスのぬいぐるみをぶった切る可愛くも恐ろしいキャラとして描かれているのが面白いですね。

神々の女帝ヘラ(神化)のSS「カナートスの沐浴」というのがどうも腑に落ちないですね。

カナートスとは、ギリシャのアルゴリダ県、ナウプリアに位置する聖なる泉ことで、ヘラは毎年春になるとこのカナートスの泉で沐浴し、負の念を全て洗い流して純潔な処女性を取り戻すといわれています。

「カナートスの沐浴」というからには雷メテオよりも回復のほうが合っていたかもしれませんね。

パズドラ

パズドラでのヘラは夫ゼウスと相思相愛のラブラブカップルとして描かれています。

相思の天界神・ゼウス&ヘラでは、「ソウル・オブ・ラヴ」などのスキル名にも二人の愛情がみてとれますが、ヘラの貞節は有名ですが、ゼウスはどうでしたっけ?

ヘラと星座のエピソード

天空の天の川は、ヘラの乳が流れたものと言われ、英語で「ミルキーウェイ【Milky Way】乳の川」と呼ばれるのはそのためという説もあります。

ウミヘビ座 ~大蛇ヒュドラ~

ヒドラの市9つの頭を持つ大蛇ヒュドラ。

ヘラクレスに敗けて殺されましたが、ヘラが天上に送ってウミヘビ座にしたと言います。

その理由は、もともとヒュドラがヘラクレスと戦ったのはヘラの命令だったからでした。

というのは、ヘラクレスもゼウスが愛人に産ませた子どもだったのです。

しかも産まれたときヘラが遣わしたヘビを握り殺したほどの力持ち。

勇猛果敢な英雄と名高く(その分激情的で、従者を殴り殺したなどの逸話がある)ヘラは何度も何度も目障りな彼を殺そうとし、大蛇ヒュドラを送ったのでした。

画像は「ヒドラの市」です。

みなさん知ってるかな?

カニ座 ~ヒュドラの援軍!カルキノス~

キャンサーのデスマスクヘラは命令してヘラクレスとヒュドラを戦わせました。

形勢不利と見たとき、ヒュドラを助けるために、カルキノスという巨大なカニを差し向けました。

が、結果は筋肉男ヘラクレスの勝利。

ヒュドラと同様、自分の命により死んだ巨大なカニ・カルキノスの忠義に報いるため、星座にしたと言われています。

蟹座といえばキャンサーのデスマスクですよね。

水瓶座 ~美少年ガニュメデス~

ヘラとゼウスの娘、青春の女神ヘベは神々の宴会のお酌係でした。

彼女がヘラクレスと結婚したため、お酌係が不在となりました。

その後を継いだのが、美少年ガニュメデスです。

その美しさに惹かれ、少年を天界にさらってきたのはゼウスでした。

ヘラも嫉妬はしたようですが、相手が少年では子どもも増えないことだしと渋々容認したようですね。

ゼウスとの結婚生活

ヘラとゼウスヘラは「ユノー」「ジュノー」という別の名前でよばれることもあります。

6月を表す英語「June」はヘラの英語名「ジュノー」から来ています。

6月に結婚式を挙げる花嫁「ジューン・ブライド」は幸せになれると言われているのは、ヘラのご加護を受けることができるからということらしいですね。

さて、そんなヘラとゼウスのなれそめですが、もともとこの二人は姉弟でした。

ティターン族との戦いに勝ち、神々の王となったゼウスは最初の妻メティスを飲み込んだ後、女神テミスを娶ります。

ところが、恋多き男ゼウスは姉であるヘラに恋をしてしまったのでした。

お得意の変身でカッコウに化けるとヘラに近づき誘惑しましたが、最後でヘラはゼウスを断固拒絶しました。「浮気者のアンタなんか絶対イヤ」といったところでしょうか。

それでも諦めきれないと口説き続けるゼウスに、ヘラは「私を正妻にしてくれるのなら受け入れてあげる」と強気の態度に出ました。

ここら辺、ヘラもかなりの技を持ってますね。

ヘラに惚れ抜いていたゼウスは「わかった、妻と別れて君と結婚する」なんてことを言ってテミスと別れ、ヘラを正妻に迎えました。

ところが生来の浮気癖は直るわけが無く、ゼウスは早々と浮気を始めたのです。

実は女性への援護射撃?

ヘラ正妻となったヘラをオリンポスの宮殿にほったらかしにしたまま、ゼウスは美女たちとの恋愛を楽しみ始めました。

女神を始め、人間界へ降りて美女、美少年とみるや変化してモノにするゼウス。

身の置き所がなくなったヘラは正妻としての面目を保つため、一人で鍛冶の神ヘパイストスを身ごもったとも言われます。

そんなヘラの悲しみを知ってか知らずか、ゼウスは全然懲りずに、あちこちに手を出しては子どもを作っているのでした。

夫が新しい愛人を作ったと知ると、ヘラはその相手や子どもにありとあらゆる罰を下しました。

妊娠した女神レトは、ヘラの怒りを恐れた人々が出産する場所を提供してくれなかったため、身重の体でさすらい続けました。

ゼウスの計らいでやっと小さな島に落ち着いたものの、ヘラが自分の娘出産の女神エイレイティアを引き留めたため、レトは9日9夜陣痛に苦しみました。

その苦しみの末に産んだのが、アポロンとアルテミスの双子神です。

また女神アルテミスの侍女カリストはゼウスに愛されたため、熊に姿を変えられてしまいました。

あげくには息子に射殺されそうになるという悲劇的な運命を迎えたのです。

カリストと息子はゼウスが天上に送って大熊座とこぐま座にしたと言われています。

未来日記

我妻由乃ローマ神話ではヘラの名前は「ユノー」と言います。

ヘラは、えすのサカエの漫画『未来日記』のヒロイン、我妻由乃(がさいゆの)の元ネタになっているそうです。

『未来日記』の内容をちょっと説明しますと、由乃は自分が好きな主人公に近づく女性を全てライバル視し、邪魔だから殺しても良いと思っているトンデモ少女で、ヘラの嫉妬深さがこれでもかと誇張されて表現されたキャラです。

同性としては、ヘラの嫉妬には同情できますし、ここまでデフォルメしなくても…と思うのですが、皆さんはいかがですか?

結婚の女神と呼ばれる理由とは?

実はヘラが結婚の女神として認識されているのは、彼女への畏怖が理由ではないのです。

彼女は浮気など一切無く、ゼウスに貞節を守っているまじめな妻なのです。

ヘラの嫉妬や夫の愛人への残酷な仕打ちは、当時の男尊女卑社会で理不尽な忍耐を強いられた女性達の心の叫びだったのかも知れないと思います。

ヘラの存在、夫の浮気相手への復讐劇は、横暴な夫を持つ当時の女性たちを励ましていたのではないでしょうか?

~オリンポス三大美神、結婚と嫉妬の女神~ まとめ

オリンポス三大美神の一人でもあるヘラ。

彼女は夫の心をつなぎ止めるために、様々な方法を取ります。

今で言うアンチエイジンク美容法を試したり、相手の心をつなぎ止める魔法の帯を身につけ夫を誘います。

いじらしいほどのひたむきさです。

現代なら仮面夫婦という手もあるのですが、ヘラはどうしも自分だけを愛して欲しかったから、真っ正面からゼウスにぶつかったのでしょう。

うっとうしいほどの強い思いですが、その人間らしいところがヘラを含めたギリシア神話の神々の魅力だろうと思われます。

  • 2017 05.02
  • ヘラ(ユノー・ジュノー)~オリンポス三大美神、結婚と嫉妬の女神~ はコメントを受け付けていません
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. アキレウス(神姫プロジェクト)
  2. ミノタウロス
  3. 「ウラノメトリア (Uranometria)」(ヨハン・バイエル、1661年版)
  4. ヘレネー(神撃のバハムート)

記事の編集ページから「おすすめ記事」を複数選択してください。