ロキ~魔剣レーヴァテインを操る邪神、トリックスターの元祖~

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ロキ(真・女神転生)

ついに真打ち登場!

北欧神話には不可欠な神ロキです。

アース親族のトールとは悪友のような関係で、行動を共にすることも多くありました。

しかし、オーディンの息子バルドルを死に追いやったのもロキですし、トールの妻シヴの美しい金髪を刈り取ってしまったのもロキでした。

好悪相半ばするロキとアース親族でしたが、ラグナログでは最後の敵としてオーディン達の前に立ちはだかることになったのです。

トリックスターの元祖

種族: 巨人族/アース神族
地域: アースガルド
別名: 邪神、トリックスター、火の精など

霜の巨人から生まれたロキは巨人族ですが、最高神オーディンと義兄弟の契りを結んだことによってアース神族として認められるようになりました。

とは言うものの、立ち回りが上手で、悪知恵に長けたロキはアース親族の神々を怒らせて罰を受ける羽目になったり、逆に彼の顔ききで小人族をてなづけ、宝物や武器をもらえることになったりなど功罪なかばした関係でした。

ロキには変身能力もあったので、善悪問わず自由気まま、複雑に動き回る姿は人々の興味を刺激するものだったのでしょう、後の創作物における【トリックスターの元祖】と呼ぶ人も多いようです。

その名前は【終えるもの】を意味していたそうで、最終戦争ラグナロクではアース親族の神々の敵となり、戦いました。

またの名は【邪神】【トリックスター】【火の精】などと呼ばれています。

ロキは様々な武器を携帯しています。

レーヴァテイン

炎をまとってゆらめく美しい魔剣で、ロキが死者の国ニヴルヘルの門の前で、ルーンを唱えながら鍛え上げたと言われています。

世界樹ユグドラシルのてっぺんに住み、ユグドラシルを照らしているという雄鶏ヴィゾーヴニル(木の蛇という意味だそうです)を唯一殺すことができると言われています。

なぜかロキはこの剣を手放してしまったため、巨人スルトの妻の手元にあるそうです。

レーヴァテインには【傷つける魔の枝】【裏切りの枝】という意味があると言われています。

この剣についてのエピソードは後ほど紹介します。

スレイプニル

オーディンの愛馬ですが、実は牝馬に変身したロキが、アースガルドの城壁を造った巨人の馬スヴァジルファリを誘惑して生んだとされています。

ロキの靴

ロキの靴(オデスト)

ロキの靴(オーディナルストラータ)

この靴は陸上だけではなく、なんと空中も海上も自由に走り回ることができるそうです。

この靴があればどこに行くにも楽ですし、移動には困らないと思われますが、ロキは空を飛ぶときにはなぜか美の女神フレイヤの鷹の羽衣を借用することが多いようです。

羽衣を借りるのは口実で、美しいフレイヤに会いたかったのでしょうか?

ロキの投網

ロキの投網オーディンの息子、光の貴公子バルドル殺害(直接の下手人ではありませんが)の罪で神々から追われ逃げている途中で麻糸で作った投網のことです。

変身能力のあるロキが「自分が魚に化けたら、神々はどうやって捕まえるだろう」と推測しているうちにできあがったものです。

この投網が神々に見つかりそうになったとき、火に投げ入れたのですが、残っていた灰から投網が復元されてしまって、ロキが魚に化けていることが発覚してしまいます。

ついにロキは捕まってしまったのでした。

ラグナロクではラスボス

ロキとシギュン

カール・ゲープハルト作

ロキは美しい容姿をしていますが、その内心は美しいとは言えない邪なものでした。

一例を上げると、カワウソに化けていた人間を意味なく殺してしまったため、その親の憎しみを買い、仕方なく賠償金を払うことにしたのですが、その賠償金は呪われているという小人アンドヴァリの指輪だったのです。

しぶしぶこの指輪を渡したロキは相手の一族に呪いをかけました。

また、雷神トールの妻シヴの金髪を丸刈りにして、トールを始め神々の怒りを買ったりなど、彼の言動は悪意に溢れたものでした。

彼の最もひどい悪行が、光の貴公子バルドルを死に追いやったことです。

不死になったはずのバルドルの唯一の弱点を知り、バルドルの弟盲目のヘズを操り、死なせたのでした。

さすがにこのことは無視できないとオーディン達はロキを捕らえ、地底に閉じ込め拷問にかけたのでした。

この恨みはよほど深かったのでしょう、ラグナロクが始まるとロキはアース親族に叛旗を翻したのです。

ロキと女巨人アングルボザとの間に生まれた魔狼フェンリル、大蛇ヨルムンガンド、冥界の女王ヘルなどの子ども達もロキに加勢し、人間界をも巻き込む大きな戦いとなりました。

フェンリルがオーディンを飲み込むなど、アース親族の神々は命を落としましたが、ロキ自身も神々の番人ヘイムダルと相打ちし、命を落としました。

敵?味方?

ロキ(モンスト)

ロキ(モンスト)

ラグナログでは敵となったロキですが、それ以前は神々にすばらしい便利な品々をもたらしてくれる役立つ存在でもあったのです。

トールの妻シヴの件では、「髪を戻せ!」と命令され、小人族を騙して黄金の鬘を作らせてシヴに渡し、なんとか切り抜けましたが、ロキは折に触れては小人から宝物をもらい(奪い)神々に贈っています。

小人の兄弟ブロックとシンドリはロキの言葉に操られ、オーディンの愛槍グングニルや魔法の船スキーズブラズニルなどを譲り渡しました。

このように、アース親族にとって必要な品々をもたらすという協力者という顔もロキは持っていました。

13世紀に成立した『新エッダ』によると、ロキはたくさんのトラブルを起こして神々を困らせる一方、悪知恵を働かしては助けてあげることも多かったようです。

エンタメ世界のロキ

ロキはゲーム作品では、ちょっとしたいたずら好きキャラとして登場し、次第に本性を露にしてラスボスになってしまう強烈なキャラクターがよくいますよね。

こんなキャラの原型はロキではないかと思われます。

また、ゲーテの古典戯曲『ファウスト』の悪魔メフィストフェレスなどにも、ロキの面影が投影されているという人もいるようです。

デジタルデビル物語 女神転生

ロキ(女神転生)

ロキ(女神転生)

私の最初のロキのイメージ。

ロキといえば女神転生です。

それにしても中島くんはとんでもない主人公ですよね。

美人教師の小原先生をロキの生贄にして悪魔を呼び出すのですから。

思春期だった私にとって生贄のシーンはとにかくエッチなイメージでしたね。

小原先生はロキに魅了されて悪魔の子を身ごもって。。。

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真・女神転生

ロキ(真・女神転生)

ロキ(真・女神転生)

デジタルデビルストーリー女神転生から以後、真・女神転生シリーズでもロキは毎回登場しています。

やっぱ、女神転生シリーズにとってロキとルシファー、そしてケルベロスは重要なキャラクターだと思いますね。

今思えば、北欧神話のロキ、ユダヤ教のルシファー、ギリシャ神話のケルベロス、日本神話のイザナミなど多種多様なことに驚きます。

あっ、重要といえば車椅子のスティーブンも鍵を握るキャラでしたね。

グランブルーファンタジー

グラブルでは魔剣レーヴァテインがSSRの武具として登場しています。

火属性ダメージ(特大)と火属性キャラの最大HP上昇(大)という火属性に特化したアビリティーになっているのは、このあと紹介する炎の巨人スルトの話が元ネタでしょう。

被ダメージ時に風属性耐性UPになるのは黄金の雄鶏ヴィゾフニルに対する耐性という意味でしょうか。

ファントム オブ キル

ファンキルでは、レーヴァテインが人気女性キャラクターとして登場しています。

このように武器がかわいい女性キャラとして描かれるのもゲームならではですね。

ここでも火属性のイメージからか、世界を焼き尽くしたとされる位置づけがなされています。

このように小説やアニメ、ゲームの世界では重要な役割を担ったり、強力なレアキャラとしても重要視されるロキとレーヴァテイン。

私にとっても青春時代をともにした重要なモンスターです。

 追記:喜多川阿弥

魔剣レーヴァテイン

レーヴァテイン

レーヴァテイン(グラブル)

ロキが鍛え上げた魔剣レーヴァテインのエピソードを紹介しましょう。

古詩『グロアの呪文』と『フィヨルスヴィドの歌』にはスウイプダーグという男性がレーヴァテインを探し求める物語が載っています。

どうしたわけか、ロキはレーヴァテインを炎の巨人ムスッペルの長スルトの妻シンモラに渡したようです。

彼女は魔剣を大きな箱に入れ、9つもの鍵をかけてしっかりと保管していたそうです。

さてスウイプダーグは意地悪な継母の命令で、メングラッドという女性の愛を得る必要に迫られました。

彼はメングラッドの館(場所は巨人の国ヨトゥンヘイム)を訪問しますが、炎や番犬に守られていたため、入ることができませんでした。

困り果てた彼は館の入り口を守っていた巨人(巨人は邪魔をしなかったようですね)に、どうしたら館に入れるのかと尋ねました。

巨人は「館の番犬の好物は、世界樹ユグドラシルの頂上にいる黄金の雄鶏ヴィゾフニルの両翼の肉だ。しかしヴィゾフニルを殺せるのは世界でただ一つレーヴァテインだけだ」と言います。

ではレーヴァテインを使えばいいのかと言うと、簡単な話ではなく、レーヴァテインを手にするためには、保管しているシンモラにヴィゾフニルの尾羽を渡さなければならないというのです。

まるで堂々巡り、謎かけのような話ですが、実はスウイプダーグとメングラッドは両思いと判明し、この話は目出度くハッピーエンドとなったのでした。

レーヴァテイン(ファントム オブ キル)

レーヴァテイン(ファントム オブ キル)

このエピソードでもわかるように、レーヴァテインを手に入れることは絶対に不可能と言って良いでしょう。

作者のロキがほくそ笑んでいるのが想像できますね。

ところで、シンモラの夫スルトは炎の悪魔と呼ばれています。

そのことからレーヴァテインはスルトが持つ炎の剣と同じだろうと思われてきましたが、元々は全く別の物という説が有力なようです。

ゲーム作品でレーヴァテインが炎属性の魔剣として登場することがありますが、このイメージから来ているのでしょう。

ロキについては、人間がコントロールできない自然の脅威、特に山火事を人格化した火の精霊が原型だったのではないかという説もあるそうです。

ロキ~魔剣レーヴァテインを操る邪神、トリックスターの元祖~ まとめ

邪神、ラグナログのラスボス…

ロキの形容はアース親族の敵としてのものが多いようです。

しかし、初期の頃はトールとつるんでヤンチャしている少年というイメージがありました。

それがやがて悪行が多くなり、結局ラグナログでオーディン達の最大の敵になってしまったというのは【親友だった二人が対立し、相討ちとなる】という少年マンガにありそうな展開だなと感じます。

そういう視点からもロキがゲームには欠かせないキャラクターというのが納得できますね。

  • 2018 04.09
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