冥界の女王となったゼウスの娘。
超美少女だったので、母デメテルが文字どおり《箱入り娘》として大切に育てていたらしいが、自分の兄弟であるハデスに誘拐され、冥界に連れ去られてしまいました。
とは言え、意外とその生活を楽しんでいたようで、順応性は高い女神だったようです。
豊穣の女神の娘
オリンポス12神の一人で豊穣の女神デメテルがゼウスとの間に産んだ娘がペルセポネ(コレー)です。
コレーというのは単に若い娘という意味ですが、オリンポスでも評判の美少女だったようです。
デメテルにとっては自慢の娘だったのでしょうが、あまりにも美人だったので、言い寄る男神が多く、間違いがあってはと母は男神たちの目に触れないよう慎重に育てていたと言います。
ゼウスにしろ、オリンポスの神々は恋愛関係には奔放すぎますから、娘の身を心配したのでしょう。
乙女座
コレーが若い娘を指すことから、この星座はペルセポネと言われています。
一等星であるスピカなど、女性に人気の星座です。
異性に自分の星座を聞かれたとき「獅子座です」と言うより「乙女座なんです」と言った方が受けはいいですよね。
乙女座(バルゴ)のシャカ
乙女座といえば、やはり「シャカ」でしょう!
シャカといってもお釈迦様ではありません。(ある意味似たようなものですが)
バルゴのシャカとは、『聖闘士星矢』に登場する黄金聖闘士(ゴールドセイント)です。
バルゴ(Virgo)とは乙女座を指します。
作品中では、《最も神に近い男》と呼ばれ、常に目を閉じて視覚を遮断することで小宇宙(コスモ)を蓄えている姿がクールで大変な人気キャラでした。
また、必殺技では「天魔降伏」、「六道輪廻」、「天舞宝輪」などギリシャ神話なのに仏教を彷彿とさせるシャカは斬新なキャラともいえるでしょう。
ペルセポネとは何の関係もありませんが、乙女座を守護するという意味で深く印象に残っているキャラクターのひとつです。
略奪婚!?いや、ある意味人攫いです!
ギリシア神話においてコレーが関係したエピソードではハデスによる誘拐が一番有名です。
これは彼女の父であるゼウスが黒幕でした。
ゼウスは自分の兄であるハデスがコレーに一目惚れしたので、求婚したいと相談されました。
しかし、デメテルの気性では許すはずがないと知っていたゼウスは兄をけしかけたらしいのです。
「父である自分が許すから、とっとと冥界へ連れて行け」とでも言ったのではないでしょうか。
本人の意志なんぞ完全無視ですが、ゼウスにとってはこういう恋愛関係は日常茶飯事。
すぐに落ち着くと高をくくっていたのかも知れません。
ゼウスの許可を得たハデスは、水仙を摘んでいた少女をムリヤリ地中に連れ去ってしまったのです。
愛娘の失踪に狂乱したデメテルがその後どんな行動を取ったかはデメテルの章で紹介しましたね。
コレーがペルセポネと呼ばれた理由とは?
ザクロを食べたコレーは1年の3分の1を冥界で暮らすことになり、いつの間にかコレーではなくペルセポネと呼ばれるようになりました。
始まりは意に沿わぬ結婚ではありましたが、他の神々(ゼウス、アポロンなど)に比べるとハデスが一概にひどい夫だったとは言えないようです。
愛人の名前もほとんど無く、愛妻家だったイメージがあります。
ゲームなどでも仲の良い夫婦になっていることが多いようですね。
デビルサマナー ソウルハッカーズ
やはりメガテンシリーズにも登場していました。
ソウルハッカーズでは冥界に連れ去られ、ザクロを食べる姿が描かれています。
ペルセポネというと美しい女神として描かれることが多いのですが、金子一馬氏独特の切り口で全く違ったペルセポネーに仕上がっています。
冥界の王ハデスの妻になったわけですから、冥界の王妃にあたるわけです。
また、種族も死神に位置し、地上と冥界を行き来するという観点からこのような斬新なデザインが生まれたのでしょうか。
この死神ペルセポネーは強く印象に残っていますね。
特にゲーム中盤において「ブフーラ」をよく使ったという人も多いのではないでしょうか。
『真・女神転生 NINE』でも死神ペルセポネーは同様のイラストで登場していましたね。
漫画 『アリーズ』
ハデスを主役にした少女マンガに冬木るりか『アリーズ』があります。
ギリシア神話の神々が現代に転生したというストーリーですが、ここでのハデスは無口で陰のある青年です。
ペルセポネはよくある少女マンガのヒロインそのままの明るく元気で恋愛には鈍感な少女ですが、ギリシア神話から受けるイメージそのままのように思われます。
デメテルがペルセポネを思うあまりに、ゼウス(ここでは敵キャラ)に協力してハデスとの仲を裂こうとするのが、バカ母そのままだなあと思ったものでした。
モンスト
モンスターストライクでのペルセポネは強力なエナジーバーストとルシファーと同倍率の大号令が人気のキャラです。
農耕の女神ペルセポネ(進化)では、母デメテルの血を表すかのように五穀豊穣の稲穂を持つ姿で描かれています。
いたって明るい感じで闇を感じさせませんね。
逆に、冥府の女王ペルセポネ(神化)は、「冥界のポメグラネート」というSSをもち、鎖で繋がれ、冥界から出れない姿が描かれていますね。
ポメグラネート(Pomegranate)とはザクロを意味します。
ここでもやはりペルセポネとザクロは切っても切れない関係となっていますね。
パズドラ
パズドラでもペルセポネは人気のキャラです。
冥府神ペルセポネは、闇属性の神ということで冥界の女王といった姿で描かれていますね。
リーダースキルに「暗黒の魂」や「冥府神の魂」など冥界の王ハデスを援護するような働きがあるのもペルセポネらしいともいえます。
ペルセポネ(コレー)~ザクロを食べた為に冥界に落ちた美しき女王~ まとめ
実の姪を略奪して結婚と言うと今なら完全に犯罪ですが、ハデスはゼウスやポセイドンと違って浮気のエピソードもほとんど無く、良い夫だったように思えます。
浮気したのはむしろペルセポネの方のようで、美少年アドニスを巡るアフロディーテとのケンカのエピソードもあります。
とは言え、そんなアバンチュールもどきを楽しめるのも、ハデスがおとなしくて、ペルセポネを大事に思っていたからではないかと思うのです。
華やかな雰囲気はありませんが、ギリシア神話では珍しいほのぼのカップルではないかと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。
「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)
もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。
現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。
マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。