今回紹介するフレスベルグは人間の形をした存在ではありません。
巨大な鷲です。
筆者などはどでかい鳥と聞くと、ゴジラ映画に登場したラドンを連想してしまうのですが、さてフレスベルグはどんな鳥だったのでしょうか?
フレスベルグ
種族: 巨人族
地域: ユグドラシルの頂上
鷲ではありますが、北欧神話では巨人族の仲間です。
モンスペディアのカテゴリーでは、その大鷲という姿から「魔獣族」とさせていただきます。
フレスベルグの住んでいる所は9つの世界を貫く巨大な世界樹ユグドラシルの北のてっぺんと言われています。
鳥だから木に止まっているんですね。
フレスヴェルグは巨大ですから倒すのも難しいと思われますが、彼を殺すことができるのは、たった一つの魔剣と言われています。
それがロキが小人に頼らずに自分一人で鍛えたレーヴァティンです。
不吉な大鷲
大鷲フレスベルグは世界樹ユグドラシル頂上の北の端っこに止まって、下界を見下ろしているそうです。
いつも天の上から下界を見下ろしているので、世界で起きる全ての出来事に通じているとされています。
『古エッダ』の一説【ヴァフスルーズの言葉】によると、フレスベルグの正体は巨人族とされ、『新エッダ』の中の【ギュルヴィたぶらかし】によれば、彼が羽ばたくと風が起きて世界へ吹き下ろされると思われているのです。
この大鷲は死者の肉を喰らい、その魂を運ぶ役目を持っているので、ユグドラシルの根元に住むとされる黒蛇ニーズへッグと同様に人間にとっては恐るべき存在と思われていました。
ちなみにニーズへッグとは大変仲が悪かったようで、食料である死者の魂の配分が原因で、ユグドラシルの上と下でしょっちゅうケンカしていたとされています。
世界にとって非常に重要なラグナロクでも、フレスベルグとニーズへッグはやはり死者の魂の数でケンカしながら、奪いあったそうです。
ユグドラシルの鳥
大鷲フレスベルグの目と目の間には鷹が止まっているそうです。
視界が遮られないのかと思っちゃいますよね。
鷹が止まったぐらいでは邪魔にならないほど巨大な鷲ということなのでしょうが。
また、フレスベルグの他にもユグドラシルの頂上は鳥がいるのですが、それは【木の蛇】という意味を持つヴィゾフニルという雄鶏でした。
この鶏は自ら光り輝いて世界樹を隅々まで照らしたと言います。
エンタメ世界のフレスベルグ
鷲の化身フレスベルグ。
その強烈な印象のおかげでしょうか、各作品では武器や兵器の名前で登場することが多いキャラクターです。
雄鶏ヴィゾフニルとも混同されることもあるそうですが、ユグドラシルのてっぺんにいるということで間違えられるのかも知れません。
ちなみにヴィゾフニルは、モンスターや武器の名前にしばしば登場しますが、【自ら光り輝く】という性質にちなんで強烈な光と関係のあるものになることが多いようです。
ファイナルファンタジーVIII
人気ゲーム『FFⅧ』ではフレスヴェルグという名の武器が登場します。
これは改造すると雄鶏ヴィゾフニルの名前の武器にレベルアップするそうです。
ゲーム界ではフレスヴェルグよりヴィゾフニルの方が強い設定なんですね。
フレスベルグ~世界樹ユグドラシルの頂上に住み風を起こす大鷲~ まとめ
アースガルドの神々との関わりは少ないフレスベルグですが、魔剣レーヴァティンを通してロキとは関係があります。
ロキの章でも紹介しましたが、フレスベルグを倒せるのはこの魔剣だけ。
しかし、レーヴァティンを手に入れるには非常な困難が付きものだったのです。
フレスベルグが倒されたという記載はありませんから、神々や人間たちを見下ろしながら、死者の魂を喰らってのうのうと暮らしていたのではないかと思われます。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。
「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)
もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。
現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。
マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。