『アトランティス』と言ったら即、あの有名なBGMが脳裏に流れるという人も多いのではないでしょうか?
すーいへーいせーんの おわりには あああ~♪
そうアニメ『海のトリトン』のオープニングテーマです。
その中で敵側として登場するアトランティス人やアトランティス文明ですが、果たして本当のところはどういう場所でどういう文明があったのでしょうか?
本当にあった?
基本的なことですが、まずアトランティスという言葉はどこが初出だったのでしょう。
古代ギリシャの哲学者プラトンが著作の中で、【大陸と呼ばれるほどの広さを持った島とそこで繁栄した王国】と説明しているのが、初出と言われています。
【強大な軍事力を背景に世界を制覇しようとしたため、全能神ゼウスの怒りに触れ海底深く沈められてしまった】とも。
うーん、アトランティスに限らずこういうエピソードはよく聞きますね。
ゼウスが出てくるところで、眉唾モノという気がしますが…。
また、ギリシャ神話にアトラスという神が登場することは以前紹介しました。
それと合わせて考えると、やはりアトランティスの存在は疑問視されても仕方ないところかなと考えます。
プラトンによると、ジブラルタル海峡の手前の海(大西洋?)にアジア大陸より広い存在し、豊かな資源と軍事力を誇っていたということです。
アクロポリス(アテネが有名ですね)と呼ばれる広壮な宮殿を持ち、人々は恵まれた暮らしを楽しんでいたとか。
その暮らしに慣れて堕落してしまったのでしょうか。
平穏すぎる生活に飽きて刺激を求めるようになったのでしょうか、アトランティスの人々は侵略戦争を起こそうとして、ゼウスの怒りに触れた…ということです。
科学者による場所の特定
ムー大陸などと合わせてその存在を明らかにしようという試みは19世紀あたりから始まっていました。
海に沈んだ謎の大陸アトランティス…
なんて冒険心をくすぐる素材ですよね。
タイタニック号などの引き揚げブームもありましたし、それより大きいアトランティスを発見したらそれはそれは大騒ぎになるでしょう。
プラトンの言葉に従って、大西洋を捜索する者もいましたし、南極こそアトランティスと信じて調査する人々もいました。
また、ギリシア文明のお膝元である地中海に沈んでいたという説もあります。
これはアトランティスの大きさを考えると無理な話と言われています。
実はインド大陸がアトランティス大陸で、沈んだわけではなく、気候の変化により地形が変わり往来できなくなったため、沈んだことにされたのだ-という説もあるそうです。
いずれにしても、アトランティス自体の存在が不明確なので、場所の特定もできようがないというのが最近の通説です。
理想郷としてのアトランティス
伝説としてのアトランティスは小説家や漫画家のイマジネーションを刺激するらしく、多くの作品があります。
特にオカルトマンガでも定評のある少女漫画家星川とみにはその名もずばり『アトランティス』という長編マンガがあります。
古いマンガですが、主人公の少女は実は豊かな生活を謳歌するアトランティス王家の姫で…
という当時よくあった“孤児が実は高貴な姫”というパターンなのですが、懐かしのマンガシリーズなどでも名作と言われる作品です。
その他にも様々な小説に「アトランティス古代文明の生き残り」みたいな設定が出て来ますね。
やはり、ミステリアスな国は人々が自由に想像できるので、多くの人が自分の世界として展開できるのでしょう。
アトランティス~大陸と呼ばれるほどの広さをもった島と古代文明~ まとめ
色々な理想郷について紹介していますが、アトランティスに関してはもどかしさを感じます。
痒いところに手が届かない=隔靴掻痒という気分です。
しかし、逆に言えば誰もが自由に想像できる、自由に国や文明を作ることができるということで、ある意味では【誰もが作れる理想郷】ということなのかも知れませんね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。
「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)
もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。
現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。
マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。