海のトリトンタイトルを見ただけで「すーいーへーい せーんの おわりには ああぁ~♪」と歌い出してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

かく言う筆者もお仲間です。

手塚治虫原作のアニメ『海のトリトン』は放映後40年以上経っているのに、アニメファンに強烈な印象を残しています。

今回はそのトリトンを紹介したいと思います。

 

トリトンの出生

アニメ『海のトリトン』ではラスボスだった海神ポセイドンですが、実はトリトンは彼と海のニンフであるアンピトリテの間に産まれた神なのです。

息子としてポセイドンの信頼も厚く、右腕のように父を支えたと言われています。

ギリシア神話にはサイクロプスやテュポーンなどのような恐ろしい怪物たちも多いのですが、彼の性格は穏やかだったようです。

父ポセイドンの激情家の血は母アンピトリテに中和されたのかも知れません。

『海のトリトン』の他にもディズニー映画『リトル・マーメイド』の主人公であるアリエルの父がトリトンなので、低年齢の子どもたちにも知名度があがったようですね。

 

半獣の容姿と波を操るホラ貝

ホラ貝を吹くトリトントリトンは緑色の髪と髭に覆われていて、上半身は人間ですが、下半身は魚のような姿をしているそうです。

『海のトリトン』も緑色の髪と目をしていました。

半身が馬、半身が魚である海馬のヒッポカンポス(空想上の生き物ですが)を自在に駆って海を縦横無尽に移動し、ホラ貝を使って大波を立てたり、逆に鎮めたりなど波を自由に操ることができたと言われています。

ポセイドンと同じく、三叉の矛を持っていますが、最大の武器はホラ貝だそうです。

普段は海底の宮殿に暮らしているそうです。

 

トリトンの気質と星座

トリトン(神姫プロジェクト)紀元前後にかけて大人気だったローマの詩人オヴィディウスが記した『洪水神話』によると、思い上がった人類に怒ったゼウスは洪水を起こし、多くの人々を死なせてしまいました。

しかし、トリトンがホラ貝を吹き、洪水を引かせたので善人として知られていたデウカリオンとその妻を救うことができたと言います。

こんなに優しい顔を見せてくれる反面、気まぐれな性格を持っていたことも神話には記されています。

ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネイス』によると彼はミセヌス(ローマ建国の租アエネイアスのラッパ吹き)と勝負したそうです。

自慢のホラ貝で勝ったトリトンですが、ミセヌスの神を冒涜したような態度に腹を立てて、溺れさせてしまったというのです。

神なんですから、「所詮は限りある人間のしたこと。ささいなことだ」ともう少し悠然と構えて大らかな気持ちでいて欲しいと思うのですが、そこら辺はゼウスを始めオリンポスの神々の行動に影響されたのかも知れません。

【アルゴー船】の遠征にもトリトンは登場します。

乗組員の一人、エウペモスが航路を教えて欲しいとトリトンに願ったのですが、何か機嫌が悪かったトリトンは、全然関係ない川の方向を指さしただけだったのです。

その後、気がとがめたらしいトリトンは、エウペモスが犠牲の羊を捧げたので気を変え、アルゴー船の竜骨を持って正しい目的地の方へと押し出してあげたと言います。

このアルゴー船の竜骨が竜骨座になったそうです。

一時の気まぐれでいじわるをしても、すぐ反省して教えてくれる-元々の性格の良さを感じさせるエピソードだと思いませんか?

太陽系惑星の一つ海王星にはトリトンという名の第一衛星があります。

この星は太陽系最大の逆行軌道を持つ衛星として有名です。

これだけの大きさ(直径2,000キロ以上)の衛星が海王星と逆の円軌道(逆行軌道)を持っているのは珍しいことらしいのですが、この星の成り立ちは謎に包まれているそうです。

 

まとめ

アニメ『海のトリトン』が放映されていた1970年代、城みちるという歌手がいました。

女の子に人気絶大のアイドルで、デビュー曲タイトルは『イルカにのった少年』でした。

明らかにトリトンを意識していたこの曲は大ヒットとなりました。

それほど、当時のトリトンは少年少女に人気があったキャラクターだったのです。

ギリシア神話本編を見ても、ポセイドン達のように女性を追いかけたというエピソードはほとんど無く、そこが女の子たちに好まれるトリトンの【永遠の少年】性を現していると思われます。