北欧神話でもちょくちょく登場する【セイズ魔術】

美しき愛の女神、フレイヤの章で少し紹介しましたが、この魔術は多くの神がかじっていたようです。

 

神や精霊を呼ぶ

セイズ魔術は、行う者が忘我状態(トランス状態)になって、霊魂や神、あるいは精霊などを呼び出す【交霊術】の一種だと考えられているようです。

忘我状態で自分の魂を体から離し、知らない場所まで旅して様々な情報や知識を得ることもあったとも。

ちなみに魔術を行う者のほとんどが女性でした。

女性、霊と交信する…【恐山のイタコ】を連想してしまうのですが、いかがですか?

セイズ魔術は性的な恍惚感を掻き立てられるので、女性の方が多いのだという説もあるそうです。

また、この魔術には欠かせないものとして【杖】が必要なのですが、これは男性の陰茎を表しているものだと、たくさんの研究者が指摘しているそうです。

証拠の一つとして、アイスランドの【サガ】には、“陰茎=杖”という表現がよく登場すると言われています。

セイズ魔術の使い方を説明します。

  1. まず術者が呪いの歌を歌い、呪文を唱えます。
    …呪いの歌って一体どんな歌なんでしょうか?
  2. 円を描くように踊ることによって、(目が回って?)トランス状態に陥るそうです。
    また、術を行うためには、術者一人だけではなく、その周りにはアシスタント的な女性も必要だと言われています。アシスタントと言っても、精神的なサポートをする役目を持っているそうです。

 

北欧神話とセイズ魔術

フレイヤ
エミール・ドプラー作

以前紹介した魔女グルヴェイグはアース神族とヴァン神族の戦争のきっかけを作りましたが、そのためにセイズ魔術を使ったと言われています。

この戦いは話し合いで人質交換をすることに落ち着いたため、幸いなことに、激しい戦闘にはなりませんでした。この人質交換としてヴァン親族からやって来たのが、航海の神ニョルズとその子どもたちであるフレイとフレイヤの兄妹でした。

美しいフレイヤは数々の男神や小人達とのアバンチュールでも有名ですが、彼女もセイズ魔術が使えたそうです。

なので、フレイヤ=グルヴェイグという説もあるのです。

どちらからちょっかいを出したのかはわかりませんが、やがてフレイヤは最高神オーディンの愛人になり、彼にセイズ魔術を教えたと言われています。

ただ前述のように、セイズ魔術は女性が行うもので【女のもの】と考えられていました。

ひねくれ者の邪神ロキはそれを口実にオーディンに対して「セイズ魔術を習うなんて、男らしくないな」と批判したそうです。

でも、ロキ自身も雌馬に変身し、雄馬と交わって子馬を産みましたよね。

ということは、自分も男らしくないどころか、女になったのに、オーディンを批判するというのは「おまえが言うな!」といったところでしょうか?

セイズ魔術には二種類あるとも言われています。

一つは【相手を呪詛してダメージを与える】もので、もう一つは【未来を予言する】魔術なんだそうです。

9世紀から13世紀にかけて完成した詩集『古エッダ』の最初の章『巫女の予言』にはオーディンに巫女ヴォルヴァが語りかけることから始まり、現在と未来に起こることを予言しますが、これもセイズ魔術によって知ったことではないかという意見もあるそうです。

 

セイズ魔術~女の魔術の使い方と精霊の呼び出し方~ まとめ

終わりがわかっている世界での予言というものはどんな存在なのでしょうか?

また、それを知ったオーディンや神々は何を感じたのでしょうか?

未来がわかっていても変えられない…虚無感しか覚えないような気がするのですが、それすら予言されていたことなのでしょうか?

SIYA

最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。

「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)

もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。

現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。

マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。