『鎧伝サムライトルーパー』と聞くと「好きだったー」「見てた、見てた」という女性が多いのではないでしょうか?

これがきっかけとなって、コミケに行ってみたという人にも会ったことがあります。
女性の漫画家には、トルーパーのパロディ漫画がきっかけとなってデビューできたという人もいるようです。

その一方、男性人気はあまりというより、ほとんどなかったのがこのアニメの特徴でもあります。
そんなサムライトルーパーは今年放映開始30年を記念してブルーレイボックスが発売されるそうです。

 

美少年集団が主人公

鎧伝サムライトルーパー当時アニメで一番と言っても良い人気を博していたのが『聖闘士・星矢』でした。
これは少年ジャンプ連載の原作人気もすごいものがありましたが、アニメ化されると原作ファンの男子だけではなく、女子の人気も強かったのです。
理由の一つは【美少年達が心を合わせて戦う】ことだったと思われます。
今でこそ知名度が上がり、さほど冷遇もされなくなりましたが、BL的世界の幕を開いた作品と言う人もいるようです。

男性達の【友情を越えた強い絆、愛情】が主題となるBLですが、『サムライトルーパー』でもそれは強く連想させられるものでした。
聖闘士・星矢との共通点-主人公が5人の少年達、クロスならぬ鎧をまとって戦うなど-が簡単に指摘されるトルーパーは、明らかに星矢人気にあやかろうとしたと言われても無理のない作品でした。
俗に言う【他人のふんどしで相撲を取る】というパターンですね。

とは言っても、女性達がひかれたのは、主人公達の熱い空気に魅せられたからだったのでしょう。
逆に男性にとっては、【戦闘もの】ではあっても、ガンダムのようにモビルスーツ(ロボット)を操る主人公がいるわけではないし、ヤマトやマクロスのように巨大戦艦が登場するわけでもない。
デスラー総統やシャアのような憧れる敵キャラもいない。
もともと女性の方がキャラクターに入れこむ傾向が強いようですから、主要キャラに感情移入できなければ、男性が少年達の熱い友情物語にのめり込めなかったのはしょうがないという感じがします。

結果としてトルーパーは女性人気に引っ張られたBL的要素が目立つアニメ…という位置づけでした。

 

【中の人】人気

NG FIVEトルーパーでは主人公を演じた声優=中の人に対する人気も高く、キャラを離れた声優本人にブームの先駆けともなりました。

それ以前にも声優に対する興味をもつファンも多かったのですが、「声で仕事をしているのだから、顔出しをしてイメージを壊したくない」と写真を出さない役者さんも多かったのです。
それが『宇宙戦艦ヤマト』あたりから徐々に声優の顔がアニメ雑誌に掲載されるようになり、『聖闘士・星矢』ではベテランと呼ばれる古谷徹、鈴置博孝、塩沢兼人などの顔が堂々と載り、キャラクター対談のような記事が載るようになりました。

トルーパーでは古谷、鈴置氏より一世代若い声優が抜擢されました。
現在ではベテランと呼ばれる草尾毅、竹村拓、佐々木望などの主役クラスの声優5人には、アニメキャラ人気と相まって、アイドル並みの人気となり、【N.G. FIVE】というグループを作るほどでした。
もちろん、コンサートやイベントを開催すると大盛況だったそうです。

脇キャラにも有名な声優が多く『ドラゴンボール』の強敵セル役の若本規夫、渋い落ち着いた声が魅力の笹岡重蔵、知的戦闘美女キャラの多い勝生真沙子など、実力派を集めた作品としても注目されていました。

今でこそ、水樹奈々など歌手としても活躍する声優はザラにいますが、元をたどれば30年以上前からその芽はあったのですね。

 

フィギュア

2009年(平成21年)にアーマープラス(発売元:バンダイ アクションフィギュアシリーズ)から主役である遼のフィギュアが発売されました。
この時は限定販売ということもあって、手に入らなかったと歎く人も多かったそうです。
2年後の2011年(平成23年)になると、バンダイはネット限定で他の主人公や敵キャラのフィギュアも発売するようになりました。

どちらもファンの中ではすごい人気で、数が限られているだけに、買えなかった人の嘆きは強く、どんなに高くても何とかして欲しいという思いに押されたのか、中古であってもかなりの値段でネットオークションには出ています。
それだけの強い人気があった作品という証拠の一つでしょうね。

 

いろいろなエピソード

トルーパーで有名なエピソードの一つに【放送事故】があります。
これは1988年(昭和63年)9月3日、第18回『恐怖の妖邪帝王』が本当の放映予定だったのに、どうしたわけか前回第17回の『明かされた鎧伝説』が放映されてしまった事を指します。
しかも、放送局がこのことに気づいたのは、放送が始まってから結構時間が経ってからのことだったと言います。
お詫びのテロップが流れたのは、なんとエンディングと次回の予告放映のときでした。
いかにテレビ局が動揺していたかということですね。

サムライハート後期の主題歌(OP、ED共に)は『Zガンダム』の二期オープニング【水の星へ愛をこめて】がデビュー曲だった森口博子が歌っています。
彼女が歌手ではなく、バラドルとしてブレイクする前のことですね。
この【サムライハート】もなかなか良い曲だと思いますよ。
ただし、森口博子自身はあまり『トルーパー』のネタを持ち出さないようです。
ガンダムについてはその後『F91』の主題歌も歌ったこともあって、話題にしますが、ちょっと不思議な感じがしますね。
両方ともサンライズ作品なんですけどね。

最終回では5人が力を合わせ、見事に敵を倒しました。
予定調和ではありますが、敵側だったはずの少女が実は操られていたことに気がつき、味方として共闘するなど、見所満載でした。
そして武器でもあった鎧は消え、少年達は元の生活に戻りました。
ナレーションの「…いつか悪がはびこると伝説の鎧は姿を現すであろう…」という一節が印象深く感じられました。

本編だけではなく、スピンオフとして何回もOVA化されるのには、トルーパーの世界が持つ深さと、ファンの根強い人気が後押ししたということは間違いないでしょう。

 

鎧伝サムライトルーパー まとめ

たかがアニメ、されどアニメと言われます。
ヤマトやガンダムの例を出すまでもなく、ファンに強く愛された作品は決して忘れられることなく、世界のどこかに生き続けるのだろうと改めて感じました。

SIYA

最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。

「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)

もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。

現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。

マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。