ヘズ(ディバインゲート)北欧神話の最高神オーディンの息子-と来たら、悲劇の貴公子バルドルを連想されるかと思いますが、実は彼には弟がいました。

同じ両親の息子でありながら、知名度の低いヘズです。

血筋の良いヘズがなぜ影の薄い存在だったのか、今回は彼について紹介します。

 

光と影 ~盲目の貴公子ヘズ~

ヘズ(ディバインゲート)種族: アース神族
地域: アースガルズ

ヘズはオーディンとフリッグの息子ですから、アース親族であり、住んでいる所はアースガルドです。

バルドルに次ぐ後継者となるはずでしたが、彼は盲目でした。

美貌で知られたバルドルの同母弟ですから彼もかなりの美貌であったと想像できます。

盲目の貴公子…

そんな彼のファンも多かったのではないかと思われます。

 

思いがけない運命に…

ヘズとロキ
出典:ウィキペディア

ヘズは兄バルドルと同じように高貴な身分でしたが、盲目であったため、神々達とは一歩引いた立場にいたようです。

華々しい活躍をする兄たちの雰囲気を感じながらも、影でひっそりと生活していたようなイメージがあります。

バルドルが光なら、ヘズは影だったのでしょう。

母フリッグがバルドル愛しさのあまり、世界中の物に「バルドルを傷つけない」と契約させたことはバルドルの章で説明しました。

ヘズはそれをどんな気持ちで聞いたのか…「母は兄ばかり大事にする」とおもしろくなかったのか「見ることはできないが、皆が褒め称える兄はすばらしい人なのだろう。母が大事にするのも当然だ」と悟っていたのか…

このあたりの心境も色々と創造の翼が羽ばたく余地がありますね。

さて、バルドルの人気をおもしろくないと思っていたのが、邪神と称されるロキでした。

老婆に変身してバルドルの弱点=ミステルティン(ヤドリギ)を聞き出したロキは、バルドルを倒すために自分の手を汚さず、弟のヘズを利用したのです。

不死身となったバルドルにいろいろな物をぶつけて遊んでいる神々。

目の見えないヘズは雰囲気はわかっていましたが、離れた所にいたと思われます。

ひとりぼっちのヘズにロキはしたり顔で声をかけました。

「どうして皆と一緒に遊ばないんだ。バルドルに物を当てると楽しいぞ」

やはり皆と一緒に遊びたいとは思っていたのでしょう。

「私は目が見えないから、物を投げられない」

ヘズの言葉にしめたと思ったロキは

「では私が君に手を添えて投げるのを手伝ってあげよう」とヘズの手にミステルティン(ヤドリギ)を握らせたのです。

そしてバルドルに向かって投げつけました。

ミステルティン(ヤドリギ)はバルドルの胸に命中し、皆の人気者だった貴公子はあっさりと死んでしまったのです。

そして、盲目の皇子ヘズは【兄殺し】の汚名をきせられてしまったのです。

知らぬこととは言いながら、実の兄を手にかけてしまったヘズ。

驚愕が去った後、彼の心には一体どんな思いが去来したことでしょう。

それを思うとつくづくロキの所業は非道としか言いようがありませんね。

『古エッダ』の《バルドルの夢》に登場するヘズは、バルドル横死の直後異母弟ヴァーリに殺されてしまいます。

このヴァーリはヘズを葬るために生まれ、たった一晩で復讐を果たすと記載されていたので、一晩で成人したのではないかとも思われます。

兄を殺してしまったヘズも悲劇ですが、異母兄を殺すために生まれたヴァーリも哀れだと思います。

 

エンタメ世界のヘズ

ヘズ(ゆるドラシル)盲目というハンデを背負い、悲劇の主人公となったヘズ。

ひっそりとした影の薄いキャラクター設定かと思いきや、意外な設定にされているようです。

ゆるドラシル

アプリゲーム『ゆるドラシル』ではなんとバルドルの妹になっています。

しかも、性格はヤンデレ。

優等生の兄バルドルに強いこだわりを持つキャラクターです。

ディバインゲート

『ディバインゲート』でもやはりヘズは女性キャラになってます。

うーん、弟より妹の方がゲームでは動かしやすいのでしょうか。

ヴァルキリープロファイル・咎を背負う者

『ヴァルキリープロファイル・咎を背負う者』には強力な打撃を与える《ヘズの一撃》という能力があります。

またミステルティン(ヤドリギ)による一撃必殺の衝撃も北欧神話元々のヘズというキャラクターの特徴が生かされているようですね。

 

ヘズ~兄バルドル殺しの汚名と貴公子たちの光と影~ まとめ

実の兄を殺してしまったヘズは異母弟に殺されてしまいました。

ロキの企てとは言いながら、自分の息子達の殺し合いをオーディンはどう思っていたのでしょう。

ヘズはラグナロク(神々の黄昏)後の新しい世界で兄バルドルとともに復活し、やはりラグナログを生き延びたヴァーリとめでたく和解して、新たな統治者の一人になったと伝えられています。

【終わりよければ全て良し】という言葉を連想しますね。

SIYA

最後まで読んでくださってありがとうございます。
マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。

「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。
(当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため)

もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。

現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。

マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。