ケルベロス(カードキャプターさくら)一世を風靡した少女マンガ『カードキャプター さくら』ではデフォルメされて、すっとぼけたかわいいキャラになっているケルベロスですが、ギリシア神話では冥界の番犬を務めると言われる恐ろしい怪物です。

何せ、ケルベロスという名前の意味は《底なしの穴の霊》というのですから、よほど恐ろしい姿なのだということは想像できますね。

 

冥界の入り口をガードする番犬

ケルベロス(グラブル)死んだ者が行く冥界の入り口にはステュクス河(三途の川)が流れており、カロンという渡し守が案内人でした。

カロンの舟で川を渡ると、冥界神ハデスの館がそびえています。

そしてその門前にはケルベロスが待ち受けています。

ケルベロスの仕事は、冥界から逃げ出そうとする者を捕まえて食べてしまうこと、死人でもないのに(冥界へ来る資格がないのに)冥界へ侵入しようとする者を追い払うことでした。

ケルベロスの父は大蛇テュポン、母は半人半蛇のエキドナと言われています。

その間に産まれたケルベロスは、頭が3つあり(キングギドラみたいですね)尾は蛇、首回りにも蛇がうじゃうじゃと生えているというなんともすさまじい姿の怪物でした。

場合によっては巨大な犬やライオンの姿で表現されることもあったとか。

冥界とは死んだ者が来る場所ですから、一度ここに入ったら二度と出ること(生きて地上に戻ること)はできないはずでした。

しかし、見張りのケルベロスが見ていなければ、つまりケルベロスの目を盗めば生きて地上に戻ることができたらしいのです。

結構いい加減な冥界の掟だと思いませんか?

ケルベロスが見ていないということは、2×3=6個の目が開いていなければ良いということで、彼を眠らせればいいのです。

 

ケルベロスにパンを与える

ケルベロス(女神転生)オルフェウスの章で説明しましたが、亡き妻を帰してもらうため冥界にやってきたオルフェウスが竪琴を奏でると、ケルベロスは感動して眠ってしまったというエピソードがあります。

また、《食べ物で釣る》というわけで、好物を与えるのも効き目があるそうです。

その好物とは甘く味つけされた焼き菓子(クッキーでしょうか)で、これをもらうとケルベロスは食べることに夢中になるので、その隙に脱出できるとも言われています。

かつてギリシアやローマの人々は死者を送る時にケルベロスへの賄賂として使者に手にパンを持たるという習慣があったそうです。

《三途の川の渡し賃》と言うようなものでしょうか。

この言い伝えは【ケルベロスにパンを与える】という言葉に残り、《敵を懐柔する》という意味で使われるそうです。

 

生け捕りにされたケルベロス

ケルベロス(真・女神転生)脳筋男のヘラクレス、12の試練の最後はケルベロスの生け捕りでした。

この怪物ケルベロスをどうやって捕獲したのかと言いますと、なんと素手でケルベロスの喉元を掴んで窒息寸前まで追い込んだ上、半ば意識不明のところを担ぎ上げて地上に連れて行く(むしろ運んでいく)といった乱暴なやり方でした。

もっとも、ケルベロスが大人しくヘラクレスに従うはずはないので、力で押さえつけるしかなかったのでしょう。

地上に出て太陽の光を受けたケルベロスは意識を取り戻すと「ここはどこ、俺は誰だ」と混乱して大暴れしたそうです。

多分、地上に出たことはなかったのではないかと思います。

恐ろしい姿の怪物が大暴れし、多くの被害を引き起こしたことに恐怖したエウリュステウス王はその場から逃げ出しました。

その隙にケルベロスはハデスの元へ帰ったと言います。

ハチ公ほどではないですが、ケルベロスも忠犬と言っても良いでしょうね。

 

ケルベロス~冥界の番犬にパンを与えると逃げられるのか!?~ まとめ

地の底より深い冥界を守る忠実な怪犬ケルベロス。

ギリシア神話に登場するキャラクターはたいてい星座に関係しています。

ケルベロスについては、1687年に作成された星図には、ヘラクレス座の一部にケルベルス座という星座があったようです。

しかし、1922年に定められた88星座の中には残されず、ヘラクレス座に吸収された形になっています。

冥王ハデスもですが、冥界に関係した人物・動物には今ひとつエピソードが少ないのが残念ですね。

やはり《死》に関係した者は目立ってはいけないのでしょう。